なぜタピオカが流行ったのか
2019年はタピオカが空前の大ブーム。
2019年の流行語大賞やヒット商品番付にノミネートされ、話題になっていました。
今回はなぜタピオカは何回もブームが起きるのかを解説していきます。
【タピオカミルクティーは台湾が発祥】
もともとタピオカミルクティーが生まれたのは1980年代の台湾だったそうで。
それが日本のテレビで紹介されるようになってから、国内でも一回目のブームが来たようです。
台湾でも当初はあまり評判は良くなかったが、日本のテレビ番組で紹介されてから急速に人気が沸騰、他の店でもメニューとして取り入れる所が次々とあらわれ、登場からわずか10年程度で台湾の国民的な飲料の一つとなりました。
ただ最初のブームのあとはいったん落ち着いてたんですが、またここ最近で盛り上がりました。
それは一体なぜなのか。
【タピオカブーム再来の理由】
じつは三度目のタピオカブーム
じつはこれまで、日本は2度のタピオカブームを経験しています。
一度目は1992年頃。こちらは白いタピオカと、ココナッツミルクがブームの主軸でした。二度目は2008年頃で、現在と同じ黒いタピオカが入ったミルクティーが人気を支えます。
しかし、いずれも現在のような突き抜けたブームにはならず、スーパーの片隅にブームの片鱗が残るスイーツが見られる程度。一昔前のナタデココブームのように、一過性のものだったのです。
これが、じわじわと再熱しはじめたのが2013年。
タピオカミルクティーを発案した台湾の人気店「春水堂」が上陸したのです。そして、2017年頃から今のタピオカブームがはじまり、その熱は2年経った今でもおさまる気配がありません。大手インターネットサイトのヤフーは、2019年6月14日、「Yahoo!ショッピング」における「業務用タピオカ」の売上が、同年の1月と同5月で約14倍も伸びたと発表しました。
YouTubeなどの動画サイトでは、タピオカの作り方を紹介する動画もアップロードされ、店先で食べる&飲むから、「自分で作る」にまでシフトをはじめています。
人々を魅了した台湾茶葉とタピオカ
タピオカブームの要因は、現在も多くの人々が憶測をし、独自の意見を述べています。「タピオカミルクティー発祥の地でもある台湾ブームの影響」「ティーブームの到来」「インスタ映え狙い」「若者の同調精神の現れ」などなど、憶測の視点は多種多様で、肯定的なものから否定的なものまでさまざまです。
いずれの憶測も、タピオカブームの一因を指摘していることは確かではないでしょうか。震災の際、最も多い200億もの義援金を日本へ送ってくれたのが台湾でした。
以降、日本人の台湾への旅行ブームは続いていますし、タピオカと同時に台湾スイーツが話題になっていることも確かです。合わせて、人気店で提供される台湾茶葉のエスニックで芳醇な風味は、ミルクティーの質そのものを向上させています。
タピオカにばかり注目が行きがちですが、じつはこの茶葉の魅力にすっかりメロメロになってしまったという方も多いはず。
タピオカブーム到来後、さまざまな飲食店がタピオカ入りドリンクをメニューに加えるようになりましたが、タピオカブームの火つけ役を担った「春水堂」「THE ALLEY」や「ゴンチャ」など、台湾発のブランドは頭一つ抜きん出て茶葉がよいのです。
この「台湾茶葉+黒糖入りのタピオカの食感」が、現在のブームを代表する味と言えるでしょう。
SNSが広げたタピオカブームはいつまで続く?
こうした品質面、純粋な商品としての美味しさももちろんですが、大きな追い風となったのはSNSメディアの存在であることは、言うまでもありません。
こうしたメディアが効率的にタピオカ入りドリンクの魅力を普及させ、人気商品へのフットワークの軽い若者たちが巨大なムーブメントを起こし、タピオカそのものの原価が低いこともあって、企業がそこに乗っていくという形が生み出されています。
しかし、ブームが起これば、やがて去るのも必定です。現在のタピオカブームはいつまで続くのか、新たに業界に参入を考える企業や、投資家の間でも注目されています。
一時のブームだと思っていたものが、文化として定着し、新たな定番として今後も親しまれていく可能性も大きいでしょう。「ポスト・タピオカ」を狙って、新しいスイーツ・ドリンクの紹介・開発・発見にも力を入れている企業や人々もいます。
平成から令和と、時代を跨いでブームを巻き起こしたタピオカ。今後の動向が気になりますが、「まだ飲んだことがない」という方は、一度その味を確かめてみるのもよいかもしれません。