大幅緩和された「住居確保給付金」の給付条件

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、収入が減った人たちへの現金給付や支払い猶予の制度が次々と発表されている。

その中のひとつが、家賃が払えないほど苦しい時に活用できる「住居確保給付金」です。

これは自治体が原則3か月分(最長で9か月分)の家賃(上限あり)を肩代わりしてくれるというもので、以前からあった制度のひとつだが、コロナ感染拡大を機にその条件が緩和されました。

元々この給付金は、65歳未満であって離職等後2年以内、ハローワークに求職の申し込みをしている人を対象に支給されていました。それがコロナを機に支給対象が拡大されました。

 

まず4月1日に、65歳未満という年齢制限が撤廃され、さらに20日からは「給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由、当該個人の都合によらないで減少し、離職又は廃業には至っていないがこうした状況と同程度の状況にある方も支給対象に含める」となり、ハローワークに求職の申し込みをしているという条件も撤廃されました。

つまり、離職や廃業をしていなくても、収入と資産上限の条件を満たせば支給対象になります。この支給条件の緩和によって、多くの人たちが「自分も対象になる」と注目するようになりました。

 

たとえば、コロナの影響で仕事がなくなった&減った若手お笑い芸人たちです。

彼らの多くは本業のお笑いでの収入は少なく(しかもコロナの影響でライブも消滅)、アルバイトで生計を立てているが、そのアルバイトも休業や短縮営業でシフトに入れなくなり、収入が激減しています。

「このニュースが報じられると、芸人たちの間にあっという間に広がりました。バイトができなくて収入が減るし、貯金もほぼないに等しいので、支給対象になる芸人は多いと思います。原則3か月給付されるということなので、この期間でバイトが復活するのを待ちつつ、復活しそうになければ新しいバイトを探そうと思っています」といいう芸人もいました。

バイト先が休業している、またはシフトが減ったなどの証明は、バイト先からのメールやHPでそのお店が休業していることが分かればいいそうです。

 

ルームシェアをしている芸人には不安も

なお、住居確保給付金を受け取るためには世帯収入の上限も決まっています。

地域によって基準は異なり、例えば東京都23区では単身世帯が13.8万円、2人世帯が19.4万円、3人世帯が24.1万円と定められています。

また、資産の上限も決められています。これも地域によってばらつきがあり、例えば東京都23区では単身世帯が50.4万円、2人世帯が78万円、3人世帯が100万円となっている。これは貯金と現金のみが該当し、株式や保険は該当しません。

支給額には上限(住宅扶助特別基準額)があり、例えば東京都の主な市区の場合、月に単身世帯が5.37万円、2人世帯が6.4万円、3~5人世帯が6.98万円が、賃貸住宅の貸主(大家)に直接振り込まれます。

支給期間は原則3か月で、引き続き条件を満たしていれば延長することができ、最大9か月給付を受けることができます。申請は各自治体の自立相談支援機関(福祉事務所など)が窓口となっています。

ルームシェアや同棲をしている場合、世帯人数をどうカウントするかは自治体の判断に委ねられるようなので、自分たちが対象になるか不安な人は、自治体に問い合わせてみるといいでしょう。

なお、この住居確保給付金以外にも、様々な現金給付や支払い猶予の制度が発表されています。細かい条件などは、各省庁や各自治体のホームページなどを確認して、賢く制度を利用しましょう。