コロナの中で経営者やマネジャーが考えるべき「3つの行動」

今、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、ビジネスや日々の仕事にも多大な影響を及ぼしています。

こういう情勢の中、経営者やマネジャーは何を考え、どう先々につなげていけばいいのでしょうか。

 

「今」を「考える機会」とする

イベントや集会が中止・延期、店が営業自粛・休業要請となると、その都度対応を余儀なくされる。

様々な予定されていたセミナーや会合を急遽ウェビナーやオンライン会議開催に変更して対応していますが、このような緊急対応

はどの業界にも見られる。つまり、こういう状況下では、「緊急の対応」が日常となります。そこでまず重要なことは、こういう

なかでも、「対応」に終始することなく、この先へと先手を打つ「考える機会」とすることである。

例えばオンライン開催です。すでに報道されているように、多くの業種で、イベントやコンサート、販売会などが、これまで行わ

れていなかったオンライン開催に切り替わってきている。

これは大規模な社会実験ともいえるが、今回のような情勢にならなくても行われたことでしょうか?

ここで対応だけに終わってしまうと、騒ぎが収まったとき、すべてを旧に復することになる。これを、考える機会としなければ

ならない。

今まで踏み込めなかったものに踏み込んだり、なかなか捨てきれなかったものを捨てたりと、日常を見つめ直す好機となり得ま

す。後々振り返ったときに「あれがあったからあのときこうできた」と自己評価もできるかもしれません。

この機を「考える機会」とすること、それがまず重要です。その上で、今行動すべきこととして次の3つを挙げてみます。

1.つながる

2.遠隔リテラシーを高める

3.生産性で乗り切り、次への布石を打つ

 

1.つながる

顧客やステークホルダーとのつながりを大切に第一の「つながる」は、まずは顧客、ひいてはすべのステークホルダーとのつなが

りをさします。

ビジネスにおいては、絆作りや顧客コミュニティ育成が重要と考えます。有事に備えてのことではなく、日常的な

活動としてである。

 

今のような状況になったとき、その取り組みがどんな効果をもたらすだろうか。

例えば埼玉県にある酒販店の店主は、逆に客数が増えていると言いいます。自宅飲食の需要変化もあるが、来店するお客さんは

「暗いニュースばかりで気が滅入るから来た」と口々に言うそうです。

そして店主と会話して「落ち着いた」「顔を見たらなごんだ」と言ってお酒を買って帰る。

彼らは我々の言うところの“絆顧客”である。このような情景は今、絆作りを行ってきた飲食店、化粧品店、雑貨店などで広く見ら

れるが、つながりの深い顧客コミュニティを平素からしっかり育てておくと、有事にあっても経営は揺らぎにくいです。

また顧客コミュニティがあると、平時に戻れば復旧を応援されます。今回のような大規模な感染症が頻繁に発生するとは思わない

が、世の中何があるか分からりません。

実例を言えば、昨年、九州のあるたこ焼き店は、相次ぐ水害で二度も店が水没した。この店は幸いにして、強固な顧客コミュニテ

ィを作り上げていたので、ファン顧客たちが被災直後から後片付けや様々な応援に来てくれ、おかげでいずれも数日のうちに営業

再開にこぎつけました。そうしてお店を開ければ開けたで、お客さんがひっきりなしに来てくれる。そこではお客さんは「ファ

ン」であり、「応援者」となってくれているのです。

こうした例を見るにつけ、“つながる”ことの強さを改めて思い知らされる。平時においては心豊かなビジネスを営むことができ、

仕事が愉しくなる。有事においては被害を最小限にとどめ、復旧を後押しし、足腰の強い経営を可能にする。

今こそ、できる範囲で、“つながる”活動を活発化することをお勧めします。

つながるパイプを少しでも持っている会社、例えば顧客リストはあるとか、メールアドレスは収集している、ラインに登録しても

らっているといった会社は、この機会につながりを強化することです。

 

 

 

2.遠隔リテラシーを高める

オンラインなどを「使いこなす能力」、第二は「遠隔リテラシーを高める」。

“リテラシー”とは、ここでは「使いこなす能力」と理解してください。

ここでいう遠隔リテラシーとは、テレワーク、ウェビナー、オンライン会議、eラーニング、動画配信システムなどをビジネスで活用する力のことです。

例えば、名古屋のある完全予約制の人気レストランでは、今、先々の予約すべてが白紙となっています。そんな中、この店では、

家庭用の調理器具や家電を使った調理の動画配信を始め、まずは顧客とのつながりを保ち、さらにここにオンライン会議システム

を通じ顧客と対話しながら共に調理を楽しむサービスへとつなごうとしています。

あるいは、大阪のある本格派バーでは、すでに肴のテイクアウトやデリバリーを始め好評だが、期間限定酒販免許の活用や酒販店

との協働で、ここに得意のお酒を加え、オンライン会議システムを通じて顧客と共に飲む、というサービスへと展開しようとして

います。事業者のみならず、個々人にとってもこの機に遠隔リテラシ―を高めることは重要です。

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3.生産性で乗り切り、次への布石を打つ

第三には、「生産性で乗り切り、次への布石を打つ」。

経済産業省のホームページにある「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」にも記されているが、生産性向上の

公式は、分母が「効率の向上」、分子が「革新ビジネスの創出」と「付加価値の向上」です。そして「付加価値の向上=提供する

サービス価値の増大」とある。特に分子の「革新ビジネスの創出」だが、先の予約制レストランやバーの取り組み、今広がるオン

ライン開催などは、決して単なる急場しのぎでなく、新たなサービス創造につながる可能性があります。むしろ急場しのぎと両立

させながら、そこを意識していくことが大切だ。

そして「付加価値の向上」です。ここで重要なことは、こういう情勢下であっても安易に値引きしてはいけないし、

特にサービス業は常にサービス価値の増大を意識し、実行することです。その一例を言えば、こんなときであっても、「お客さんを常に喜ばせてあげること」。

ある静岡の学生服店では、3月、急きょ卒業式が中止になり、数百着のレンタルブレザーがキャンセルされるという危機にあっ

た。そこで、「家族de卒業式」という企画を立案。

式で着るはずだったブレザーをそのままご利用いただき、家族で面白おかしい卒業記念写真を撮っていただく。

その写真を店内に掲示し、後で様々な賞を授与するというものだが、お客さんからは大好評。

なくなりそうだった一生に一度の思い出作りに貢献できたとのこと。こういう機転と姿勢、そして具体的な行動が今こそ重要なのです。

そして、改めて言いたいことは、顧客にとって付加価値の高いところは、本当は「行きたいところ」であるということです。

いずれ今の情勢は収束します。

そうして再び集うことが許されたとき、人は必ずそういう場所に行きます。

むしろ、集うことが許されず、行動すら制限されているこの体験こそが、そういう場所へ行き、集うことの価値を増大させている。

だからこそ今、できることを考え、行うことで、「次」への布石を打っていくのである。

今だからこそ踏み込む、試すことができる。

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ビジネスの持続性のために

ここで述べたことは、いずれも危機に見舞われたときのみ対処するようなものではありません。

しかし言いたいことは、こういう状況に陥ったからこそ踏み込んだり、試したりできるということです。

そして、取り組むためにも「考え」なければならない。こういう状況は、これまで思うところはありながらも、日々の忙しさに、

あるいは旧来の見方ややり方で流れてしまっていたことを、「考え」、見直し、変化へ踏み込むべき好機かもしれません。

そうして踏み込むことは、あなたのビジネスや仕事を長く持続させる基盤作りとなります。

それこそが、もし次にあなたのビジネスや仕事が不測の事態に見舞われたときにも、強靭な支えとなり、復活の礎となるのです。